うちの子供たちは2人とも、英語保育園に通ってた。
長女は3歳からの2年間、次女は2歳からの1年間を、仙台の英語保育園で過ごした。
週に1回とか月に数回ネイティブが来て英語レッスンしますよって保育園は認可でもけっこうあるけど、ここは認可外で、もっとガチ。
朝9時から夕方17時まで1日みっちり英語漬けで過ごし、基本的に園内での日本語はNG。お昼寝を除いた1日5~6時間は、ほぼ日本語なしの英語オンリーという環境で過ごした。1日の予定も決まっていて、朝から英語学習のカリキュラムが組まれてる。
ここまでやれば、子供ならあっという間に英語ペラペラになっちゃうかも!?
…って、思うじゃない?
私もちょっぴり期待した。しましたよ。でも、そう都合よくはいかないのよ。
2~3ヶ月もすれば英語に慣れて帰国子女みたいに話し出した!なーんてこともなくて、英語能力ほぼゼロだった長女がある程度まとまった文で周囲とコミュニケーションを取れるようになるまでは、6ヶ月くらいかかっていたと思う。
もちろん「Tea, please!(お茶ちょうだい!)」とか簡単なフレーズはすぐ覚えたけど、単語とか2語、3語ではなく、ちゃんとした文章にして話せるようになるのは意外と時間がかかった。
そもそも3歳児なんて日本語だって発展途上で不完全な状態なので、英語力を評価するのも難しいんだけどさ。いくら子供だからって、聞かせるだけでいきなり英語が話せるようにはならないんだなと思った。
2年間の保育園生活で、英語はどこまで上達したか?

娘たちの通っていた園は非常に教育熱心だったので、英検受験もあった。実際には希望者のみで受験は任意なんだけど、普段のレッスンで英検対策もあったし、全員受けてたと思う。
最終的に長女は4歳で英検Jr. シルバー合格、5歳で英検4級に合格して卒園した。これはこの保育園ではごく標準的な成績。我が家は家庭での英検対策を一切していなかったので、純粋に園の先生たちの指導功績だと思ってる。すごい子は5歳で2級(高校卒業レベル)とか取ってたし。天才か?
会話の面では、卒園時点でも英語ペラペラとは言い難かった。英語で考えて話しているというよりは、日常生活に必要なフレーズをインプットして使っているという印象で、日本語ほど自由に会話はできない。必要に応じて、必要なカードを取り出しているというか。
英語を「話せる」じゃなくて、英語を「使える」という表現が近かった気がする。
保育園の英語教育、メリット vs デメリット

メリット
保育園で英語教育を受けることのメリットは、当然ながら上達が早くてスタートダッシュができること。
特にリスニングと発音については、大人になってからだと苦労することを身をもって知っているので、子供の耳の良さはうらやましい。長女も次女も、LとRを難なく区別して聞き分けているし、発音もできる。
個人的にメリットと感じてるのは、英語スキルそのものよりも、外国の人に対してフラットに接することができるようになったこと。国籍も肌の色も違う先生たちと一緒に過ごしてきたから、外国の人に会っても驚かないでコミュニケーションを取れる。
これって意外とできないと思うんだよね。やっぱりさ、たいていの日本人は外国人に英語で話しかけられたら固まっちゃうでしょ?
そういうのがなく、世界にはいろんな国があって、いろんな人種がいるってことを経験として理解できたのは、子供たちが大人になった時に活きてくるんじゃないかと思う。…というか、そうあって欲しいっていう願望なんだけども。
デメリット
大変残念ながら、保育園の英語教育には痛恨のデメリットがある。
子供はすぐ、英語を忘れる(・д・)
同じ園に兄弟児を通わせていた先輩ママたちから「卒園すると英語を忘れる」と聞いてはいたけど、まじでものすごい勢いで忘れる。うちは他県に引っ越ししたこともあって1年ほど英語ノータッチ状態にしてしまい、その結果、長女の英語能力はほぼゼロに戻った。
まさか、ここまで忘れるとは、ってレベルで何も覚えてない。保育料、高かったのにな……。
正直、空しさに震えたけど、親がサボったせいなので子供は悪くない。しかしまあ、言語というものは使っていないと忘れるのだということを、残酷なまでに学ばせてもらった。
通っていた保育園自体は最高に良かったし、なんなら私が子供に戻って通いたいくらいだったので、入園したことについてはまったく後悔していない。
でも、そもそもの目的である「将来、英語が話せる子になって欲しい」という点については、保育園で数年勉強しただけではまったくダメなんだなということがわかった。
なので、英語ができるようになるという観点だけで「保育園の英語教育に意味があるか」を答えるとしたら、意味なくはないけど、卒園後に継続して学習しなければほぼ無意味になる、ってとこかなあ。
確かにさ、現地ではペラペラだった帰国子女が日本に帰ったら英語を忘れてしまうってのは、よく聞く話だし、帰国子女専用のスクールもあったりするよね。子供の可能性や潜在能力に対する期待が過剰になりがちだけど、やっぱり第二言語を習得するということは、そう甘くないんだな。
なんでね、もし私が誰かに「子供をインターナショナル保育園に通わせようか迷ってるんだけど…」って相談されたら、英語抜きでその園を評価しても行きたいかどうか考えてみたらどうかって答えると思う。
卒園後にも英語学習を継続しないと意味がない

今だから言えるけど、保育園児くらいの年齢だと、ぶっちゃけ英語学習はサブであってメインではない。保育園での学習だけじゃバイリンガルにはなれないし、英語だけであれば卒園後や小学校入学以降のタイミングで始めても追いつけると思う。
だから、単に英語学習だけが目当てなのであれば、無理にインターナショナル保育園的なところに行かなくてもいいんじゃないの、というのが正直な感想。そういうところは保育料も高いから、負担になって苦しくなるくらいなら、普通の保育園に通って英語は別で頑張る方法もある。
親としては早く始めなきゃ、という焦りも出るだろうけど、でもどうせ忘れちゃうし…(・д・)
もし通わせる場合は、卒園後に英語力を維持する場まで考えてからのほうがいいかな。しつこいようだけど、日本人家庭で育つ子供が、保育園での学習だけで英語ペラペラになるのは無理だから。
その園にアフタースクールプログラムが用意されてることもあるし、ない場合は英会話スクールなり、おうち英語なりで、英語に触れる時間を作ってあげないと、うちみたいにリセットされちゃう。
よく言われることだけど、第二言語が母国語の能力を超えることはない。つまり、保育園で身につく英語は、極端に言えば幼児語以下のレベルでしかないってことになる。
それを考えると、ある程度、日本語を話せるようになった小学生以降からでも、英語の勉強は十分なのかなと思うようになった。入園前はそういう冷静さは持てなくて、子供が英語ペラペラになったらスゲー!みたいな浮ついた気持ちが強かったけど。
というわけで、我が家は今はオンライン英会話スクールに入会した。週1回だけレッスンに通うより、できるだけ回数を多くレッスンを受けたほうが有意義だと思ったから。今は子供用コースのあるオンライン英会話もたくさんあるし、金額も月額1万円未満で間に合う。
実は小さい頃の英語教育も、オンラインで十分だったんじゃないかと思わなくもない(・∀・)
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