2014年、京都でスズメバチ駆除を依頼された業者が、薬剤に引火させて爆発を起こし、家屋が消失するという事件があった。
この事件が悪質なのは、業者が”誤って”火災を引き起こしたんではなく、そもそもスズメバチ駆除の専門技術があるかどうかすら怪しかった点。薬剤のガスが充満した空間に発煙筒を投げ込んで家屋に引火した後も、依頼者に報告せず火を消そうとして失敗し、結果、爆発炎上になったらしい。
しかもこの業者はメディア出演歴を売りに広告を出していたようで、余計にたちが悪い。
ちなみにこのハチオブミッション8という業者のHPはもうなくなっていて、Googleマップ上にもなかったので、事件後に解散したのかも。
依頼者家族が業者を訴えて4800万円の賠償命令が出たらしいけど、ちゃんと支払いされたのかなあ…。専門家と信じて駆除を依頼したら家が燃えてなくなりましたって、災難にもほどがある。
この事件の他にも、スズメバチ駆除の際に火災になったというニュースはちらほらあった。最近だと、経産省のHPで令和3年にスズメバチ駆除業者が煙タイプの駆除剤により火災を発生させたという記録があった。
参考:令和3年火薬類事故情報(中部近畿産業保安監督部近畿支部)
スズメバチ駆除には資格がない
事業をするにあたって狩猟免許が必要な害獣駆除と違って、ハチの駆除には資格が必要ない。
スズメバチ駆除業者が玉石混交なのは、こういう背景もあるのかなと思う。
実際、私が住んでる地域の業者を探してみると、個人の便利屋さんみたいなところで、ハチの駆除もやってます、ってところが出てくるんだよね。
複数の駆除業者が一般人からの質問に回答するってFAQサービスみたいなページも見たんだけど、どんな薬剤を使いますか?という質問に「市販のスプレーを使います」と回答している業者が何人かいた。
こういう業者は「スズメバチの巣を駆除する」ことを生業にしているんじゃなくて、「依頼者に頼まれた作業を代行する」ことを仕事にしてるんだろうな。なかには駆除の知識や経験がない人がいてもおかしくない。
個人的には巣の撤去までするのに市販品だけで大丈夫?(・д・)って不安になるし、駆除の素人をリスクにさらすようで、もし業者の人が刺されたらとか考えると、いろんな意味で怖さしかない。値段が専門業者より安いから需要もあるってことなんだろうけど。
でも火事やら爆発やらになったらスズメバチどころじゃなくなるし、やっぱり私ならプロの業者に頼みたいかなあ…。
ちなみにプロの業者は、薬剤でハチの動きを止めて一匹残らず捕獲か駆除をした後に、巣を撤去するというのが普通の流れ。薬剤には業務用の殺虫剤、燻煙剤、ハチ専用の神経毒とか複数の種類があって、状況に応じて使い分けているらしい。
火炎放射器で巣を焼くわけじゃないんだから、普通に駆除してもらったら火なんて付かないし、そもそも爆発なんてしたら自分たちが危険なんだから、業者さんもそんなことしないよね。
餅は餅屋じゃないけど、ハチはハチ屋がいいと思った。
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スズメバチ駆除が全国8000円~
ハチの駆除には資格が必要ないので、緊急性に付け込んで高額な駆除費用を請求する例もあるそうです。
こちらのハチ110番はハチの巣撤去費用が8000円~で、一定の基準を満たした地元の加盟店に問い合わせがつながるので安心。
365日・24時間対応で、全国に加盟店があります(うちみたいな田舎でも大丈夫だった!)。
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