ペーパードライバー歴20年。免許証はもう、ただの身分証明書と化した。
でも東京を離れて地方を転々とする中で、そろそろ運転できるようにしないとなー、という気持ちは常にあった。山形に引っ越して、自分で運転できないことで不便さを感じることも出てきたので、ずっと先延ばししてきたペーパードライバー講習を、とうとう受けてきた。
候補となる山形市内の教習所はこの3つ。
- 蔵王自動車学園(山形市と上山の境目、観光物産会館の近く)
- マツキドライビングスクール山形校(馬見ヶ崎のプールジャバの近く)
- のーきれん自動車学校(東海大高校の近く)
口コミやHPを比較して、蔵王自動車学園で講習を受けることにした。もともとここで免許を取らせてもらったし、評判も一番良いようだったので。
ペーパードライバー講習やってますかと電話で問い合わせたところ、空いてる日程に予約を入れて好きな時に受講できるとのことだったので、電話した翌日に行ってきた。申込みが簡単すぎて拍子抜け!
特に何時間とかカリキュラムが決まってるわけじゃなくて、自分が練習したい分だけ、都度予約を入れればいいんだって。
申し込み書類とか要るのかと思ったけど、電話予約したうえで当日来校し、受付で免許証を見せて講習費用を支払うだけという、実にカジュアルな手続きだった。ペーパードライバー講習って、こんな美容院の予約感覚で行けちゃうんだね。あれか、もう免許は持ってるからか。
料金はオートマ限定の講習1時間で6480円だった。山形県内のペーパードライバー講習は、どの教習所も1時間あたり6000~7000円くらいの料金設定みたいなので、まあ相場通り。個人的には1時間1万円くらいするものかと思いこんでたから、2時間で12000円くらいで済んだのは予想より安くて良かった。
ペーパードライバー講習は何時間、必要?
ペーパードライバー講習は何時間くらい受ける必要があるのか、何時間やれば運転できるようになるのか。この答えが、どの教習所でもHPにハッキリ載ってない。
蔵王自動車学園、マツキドライビングスクール、のーきれん自動車学校の3校とも、ペーパードライバー講習の詳細は載ってなかった。受講者少ないのかしら。
ネットでググっても、免許を取り直すつもりで2~3ヶ月通えとか、6~8時間くらいとか、サイトや学校によって言うことがマチマチ。まあね、ペーパードライバーって言ってもブランクの年数やもともとの運転経験が違うから、一概に言えないのもわかるんだけど。
これはもう実際に行ってみるしかないなと思って、とりあえず2時間の予約を取った。ペーパードライバー講習には特に決まったコマ数はなくて、1時間単位で予約して、その都度支払って教習を受ける、という、気が向いた時にジムに行くみたいな受講システム。
なのでとりあえず2時間運転してみて、自分の運転スキルのヤバさによって、何時間受けるかを判断しようと思った。
ちなみに私のペーパードライバー歴は20年以上。学生の時に2年くらい軽自動車に乗ってて、大学卒業以来、一度もハンドルを握ったことがない。
もともと運転が得意だったわけでもないし、もはや無免許に近い状態だと思われるけど、結果的には2時間の講習でOKをいただき、不安があればまた戻ってきてもいいけど、あとは自家用車で練習頑張って、ということになった。無理に延長をおすすめしないあたり、教習所側も良心的だよね。
蔵王自動車学園の先生に聞いた話だと、だいたいは3~4時間の講習で卒業していき、10時間も20時間も受講する人は稀らしい。
電話で「2コマ連続で受けたい」と言った時に、「路上にも出ますか?」と聞かれて、20年ぶりに運転するヤバい奴が、いきなり路上とか出ちゃっていいの!?と動揺しちゃったんだけど、教習所的には1~2時間練習したら公道に出る、というのは当たり前の感覚だったっぽい。
以下、実際の講習内容。
1時間目:コース練習で運転の基本を復習
最初の1時間はコース練習。
教習所のコースを周回しながら、走行する時の位置、右折や左折、基本の交通ルールを確認。少し慣れてきたら、S字カーブやクランクへ。なんか懐かしい…。
エンジンのかけ方、アクセルとブレーキの踏み方、座る位置、ハンドルの持ち方、サイドブレーキの使い方なんて基本的なことも教えてくれるので、「運転のすべてを忘れた(・д・)」という私レベルの人でも安心。
それにコース練習だと、やっぱり落ち着いて運転できる。脱輪しようがクランクから落ちようが事故にならないし。隣に先生もいてくれるし、この安心感はとてつもなく大きい。
運転のポイントを教えてもらいつつ周回してたら、1時間はけっこうあっという間だった。蛇行せずに走れていて、急発進や急ブレーキのような危ない操作もないので、運転の基本はおおよそOKということで、次の時間は路上に出てみようということに。
いやいやいやいや、もう公道なんて出ちゃって大丈夫!?と思いつつ、先生が隣にいてくれるうちに練習したほうが良かろうと思い、2時間目は路上講習でお願いした。
2時間目:路上教習
ペーパードライバー講習2時間目は、20年ぶりの路上運転。
蔵王自動車学園の周辺は工業団地になってるんだけど、ここが運転の練習には素晴らしくちょうどいい。適度に交通量が少なく、道路が広く、右折と左折が練習できる十字路やT字路がそこかしこにあり、周回もできる。慣れたら13号線にも出て、交通量の多い場所での運転も経験できる。
右折や左折で曲がる方向に寄るタイミング、一時停止のルールなどを確認しつつ工業団地周辺をぐるぐる周回して約50分。運転初心者が1時間近くぶっつけで運転したらけっこう疲れる気がするんだけど、先生が楽しく盛り上げてくれて、リラックスして臨めたせいか、まったく疲れを感じなかった。
最後に10分ほど、コース内で右からと左からの車庫入れを練習して、2時間目は終了。
講習をさらに継続するかは、2時間目の受講が終わってから相談しましょうということになってたんだけど、お金がもったいないし、あとは自分で練習すればすぐ乗れるようになるよと言われて、ここでペーパードライバー講習は終了することになった。
先生曰く、車の運転は自転車と一緒で、一度できるようになればブランクがあっても取り戻すのは早いよと。私の場合、20年のブランクのうち18年分くらいは2時間の講習で取り戻したから、あとは実践あるのみで、教習所に通うよりも、誰か運転できる人に同乗してもらって練習頑張ってねと(良心的!)。
これが都会だと、いきなり運転するには狭い道が多いし交通量も多くて怖いけど、確かに山形なら、人気の少ない場所はいくらでもあるもんね。つーか、この黒沢工業団地の周辺、練習に最高だわ。ここを教えてもらっただけでも収穫だったと思えるくらい。
ペーパードライバー講習は意味ない?
ペーパードライバー講習が終わってみての素直な感想は、受けて良かった。近所でいきなり練習するか、教習所に行くか迷ってたけど、もっと早く講習を受ければ良かったなあと思った。
やっぱりね、20年も運転してない人間がいきなり公道を走ると、運転スキルの問題もあるけど、精神的にパニクると思うのよ。絶対怖い。でも事故の心配のないコース練習のおかげで、運転に対するハードルがかなり下がった。
もともと車には乗ってたけど、数年のブランクがあって…くらいの人だったら、1時間コース走ってみるだけでも十分自信が付くんじゃないかなあ。講習というよりリハビリだよね。でも、恐怖の克服ってだけでも、十分意味があると思う。
私の場合、軽自動車しか運転したことがなくて、車両感覚のつかめない普通車に対する不安が半端なかったんだけど、最初の1時間のコース練習で、「あ、普通車でも運転できてる!」って手応えを感じることができた。
個人的にはペーパードライバー講習は、運転を再開するための儀式というか、今の自分がどれくらい運転できるのかを試すような感覚だった。下書きをしてから絵を描く感覚に近いかなあ。運転できるまでに5~6万円くらいかかるんじゃないかと覚悟してたから、想定していたよりも短く、安く済んで満足。
運転に自信のある人は無理して受講する必要はないかなと思ったけど、逆に、運転に対する不安が大きい人にとっては、十分な意味があると思う。
ペーパードライバー講習は1時間単位で好きな時に受けられるので、まずはコースのレンタル料だと思って1時間やってみて、それから判断するのもあり。
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