娘が登校しぶりになってから、自然と不登校に関するニュースや記事が目に入るようになった。
でも、なんか読んでて救われたって感じたことは一度もない。
母子登校は過保護、そして母子登校が必要な子供にしてしまったのは、親の過干渉が原因である、と暗に言っているような記事、けっこうあるんだよね。
うるさいわ(・д・)
って思う。
特にひどいと思うのは「子供が不登校になる親の特徴」系のやつ。
親がなんでも先回りして過干渉するってのは、まあわかる。わかりますよ。
でもさあ、叱らずに褒めてばっかりはダメ、宿題やったらお菓子をあげるとかの条件を付けてはダメ、靴下履いた?って確認してはダメ、でも放任してはダメ。ダメ、ダメ、ダメ……。
親が病むわ、そんなの。
親の過干渉が子供の自主性を阻んで、1人では行動できない子供になるって理屈は理解できるよ。確かに、度を過ぎた干渉は子供の成長を歪めると思う。
でも、たいていの親はそれを自覚してて、頭ごなしに叱るんじゃなく褒めて子供の行動を促したり、時には子供に任せて見守ったり、時には怒りでどうでもよくなって勝手にしろって放置しちゃったり、手探りで頑張ってるんじゃないの?
不登校になる親の特徴に書いてある「特徴」って、矛盾をはらんだダブルスタンダードであることが多いし、コールドリーディングみたいに「必ずどれかは当てはまる」みたいなのが多い。
登校拒否を解決したくてググって、そういう記事を読んだ親が、何を思うか?
ドキッとして、「私の育て方が悪いんだ…」「私のせいなんだ…」って、落ち込むよね。登校しぶりなんて、同じ状況の保護者は基本的に身近にいないんだから、ネットの情報が正しいと思いこんで、1人で調べて1人で勝手にヘコんじゃう。
いやいやいやいや、部分的には親にも原因があるだろうけど、それだけじゃないでしょ。変な洗脳しないでよ。
逆にこういうNG事項にまったく当てはまらない子育てってどんなのか聞きたい。朝、忘れ物がないか確認したり、時間通りに家を出るように急がせないと、生活成り立たないよ。子供の自主性に任せて~とか言うけどさ、子供が遅刻したり忘れ物して、困るのは私なの。だから母子登校もしてるの。
「不登校にならない、正しい子育て」ってテーマは、逆に当事者である親を追い詰めてるって思うのは、私だけ?なんか自分が登校しぶりの当事者になって、つくづくそう感じるようになった。
本当に過保護やら過干渉だけが不登校の原因だったら、小学生の半分は学校に行けなくなるわ。そうやって親や問題を類型化することで、主役(って言い方も変だけど)の子供を置き去りにしてる感があるから気持ち悪いのかなあ。
うちは姉妹だから、登校しぶりは子供の性格も大きい要因だなと思ってる。
新しい出来事に臆病で夢見がちな長女は、そもそも保育園時代から行きたがらないことがちょいちょいった。何かする時も「トイレ行っていい?」「食べていい?」と、いちいち許可を求める癖があって、聞かなくていいから自分で決めていいよって、何回言ってきたかわからない。
次女はというと、生まれながらのメンタルモンスターだ。気になった時はすでに行動してる。「開けていい?」とか聞いた時には、すでにそのフタは開いている。物を壊したり危ないことをすることが長女よりはるかに多いので、もはや日課のごとく叱られてるけど、まったくへこたれない。めっちゃポジティブ。
長女と次女って立ち場の違いは、もちろんあるだろうけど。
でも、育て方のみが一概に登校しぶりや不登校の原因とは思えないんだけどな。
後付けするのは簡単なんだよ。長女が行きしぶりした場合は「初めての子供だから干渉しすぎた」、次女が不登校になったとしたら「2番目で親にかまってもらった時間が少ないから愛情不足」とかなんとか、それらしい理由なんて、なんとでも言える。
母子登校って行動だけを見て、「後付け」で親にレッテル貼るって分類するのって、傷口に塩を塗るようなものだと思う。子供もつらいけど、親だって苦しんでるよ。私も母子登校やめられるならやめたいけど、でもそれ以外に今できることがないの。
それを過保護って一言で片付けられちゃうのは、なんか悲しいなあ。
そういやね、私の弟は知的障害を伴う自閉症で、これは生まれ持った障害なんだけど、5、60年前までは「母親の育て方が原因である」って言われてたんだよ。今では信じられないことだけど。
不登校とか登校しぶりの問題も、なんか同じ気配を感じることがある。
そんなに単純に原因がわかるなら、こんなに悩んでないっつーの!
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